事務局便り

 新型コロナにお気を付け下さい

 渡辺幸一私鉄高退協会長 幹事会での挨拶
 
 私鉄高退協の第1回幹事会にお集まりの皆様、大変ご苦労様です。新型コロナ感染拡大の中で、皆様は、いかがお過ごしでしょうか。

 新型コロナ感染で重症化しやすい私たち高齢者ですので、僭越ながら会長として、幹事会の皆様を始め全国の私鉄高退協に結集する諸先輩の皆様のご体調しております。どうぞ、新型コロナ感染防止対策を遵守していただいて、お過ごしいただけるように切に願っております。
 
本日の幹事会には、大変お忙しいところ私鉄総連を代表して池之谷副執行委員長様にお越しいただいております。私鉄高退協幹事会を代表しまして、厚く御礼を申し上げます。私鉄総連も新型コロナ禍の中で大変ご苦労されていることと思います。取り巻く諸情勢も含めて、忌憚のないご挨拶をいただければ幸いです。

 また、昨年の私鉄総連大会で私鉄総連第16代木村新委員長体制が誕生しましたので、私鉄総連中央執行委員会の皆様のご紹介もいただけるとお聞きしております。合わせてよろしくお願いいたします。
 
そして、本日の幹事会には、私鉄総連組織内国会議員の森屋隆参議院議員にも大変お忙しいところを駆けつけていただきました。心温まるご配慮に私鉄高退協を代表して厚く御礼を申し上げます。後ほど、国会情勢も含めてご挨拶をいただければ幸いです。

 ご周知のように、昨年度は新型コロナ感染防止のため私鉄高退協の定期総会および幹事会など全て「書類審議」とさせていただきました。また、恒例の退職者連合の全国高齢者集会は中止となりました。このように新型コロナ禍で、私たちの運動も大きく制約をされてきました。
 
皆様がご周知のように新型コロナは、依然として終息していませんので、今日の幹事会も残念ながら東京の私鉄総連本部に皆様にお集まりいただき開催することができません。

 その代わりに、私鉄総連および各地連の皆様に大変お世話になりまして、私鉄総連の「KIZUNAネット」で、私鉄総連本部と各地連事務所とをインターネット同時中継で結んで、私鉄高退協幹事会を「WEB会議」として実施させていただきます。1982年に結成され39年目を迎える私鉄高退協としては初めての試みになります。
 
 そのようなことで、幹事会の皆様とは、実に2年ぶりに画面越しではありますが、顔を合わせての会議となります。私鉄高退協としては、初めてのWEB会議になりますので、とまどうことも多々あると思いますが、運営へのご協力をよろしくお願いいたします。
さて、新型コロナ感染拡大によって、私たちの生活様式は明確に変わりました。このような状況に踏まえて、私たち私鉄高退協も健康で安心して生活できるための運動を私鉄総連と退職者連合と共に進めていくことが必要です。ウィズコロナからポストコロナ時代においても年金・医療・介護など社会保障の充実に向けた課題は山積していることは言うまでもありません。
 
 同時に、私鉄総連組織内議員である森屋隆参議院議員は、この間、エッセンシャルワーカーである交通運輸および関連事業の働く仲間のために参議院国土交通委員会などで積極的な役割を果たしてきました。森屋隆議員の私鉄総連OBの全国応援団でもある私鉄高退協は、引き続き、森屋隆組織内議員との絆を強めていかなければなりません。
そして、今年の10月には衆議院議員の任期が切れるため早晩必ず政権選択選挙の衆議院選挙が実施されます。ご周知のようにこの選挙には、私鉄総連準組織内議員の辻元清美衆議院議員(大阪10区)が挑みます。関西地連高退協の皆様には大変お世話になりますが、衆参の両輪である辻元議員の必勝に向けて私鉄高退協としても支援の輪を広げていくことが必要です。
 
 新型コロナ感染対策のドタバタを見ていますと、とても菅政権にこの日本を託すことはできません。立憲民主党を中心とした働く仲間と高齢者のための政権、平和と立憲主義に基づいた政治の実現に向けて私鉄高退協としてもできる限りの応援をしていくことが必要だと考えています。

 今日の幹事会の主要議題は、9月20日に予定されています私鉄高退協総会に向けた2021年度活動方針(案)です。後ほど私鉄高退協の事務局からご提案させていただきますので、幹事会の皆様からの活発なご討議をいただければ幸いと思っています。
また、WEB上ではありますが2年ぶりにお顔を合わせますので、各地連の高退協の活動や近況などについてもご報告をいただければ幸いです。
 
 何はともあれ、私鉄高退協に結集する諸先輩の皆様が新型コロナ感染にお気をつけていただき、お元気で過ごされることを切に願いまして、私鉄高退協を代表しましてのご挨拶とさせていただきます。
  
以上




【第1号議案】(幹事会修正)

私鉄高退協2021年度活動方針(案)
 
1.はじめに

(1) 新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」)は、昨年3月にWHOがパンデミックを宣言してから1年が経過したが、英国型・ブラジル型・インド型などの変異株も加わり、現在も世界で感染拡大が続いている。国内においても、感染力の強い変異株が猛威をふるい、4月25日には3度目となる緊急事態宣言が発令された。重症化しやすいと言われる変異株は、病床をひっ迫させ、一部では満足な診療も受けられない医療崩壊に陥っている。また、収束に向け期待が高まるワクチン接種は、日本でも大幅に遅れており、現在は高齢者向けの接種が始まったばかりで、医療関係者にもまだ十分に行き渡っていない。医療体制の不足、ワクチンの確保、その場しのぎの感染症対策など、これまでの政府のちぐはぐな対応が、国民に混乱と不安を与え続けている。
高齢者就労率が非常に高い日本では、現在もリスクを抱えながらも生活のために働かざるを得ない高齢者が多い。高齢者に対する補償や雇用を維持するための制度を求めていかなければならない。

(2)森屋隆組織内国会議員は、2019年7月に当選して以降、参議院国土交通委員会委員として交通政策を中心に法案質疑、一般質問に立ち、職場の声を国政に届けている。この間、@自然災害からの早期復旧・復興、A事業存続に向けた支援および雇用調整助成金の拡充、Bバス事業における運行計画の変更や感染症防止対策に対する手続きの緩和、などに取り組んできた。また、改正踏切道改良促進法では、安全運行の観点や設備費のさらなる国の補助を求める質問を行った。さらに、交通政策基本法の改正においては、法案起草の与野党調整のなかで、第21条に「人材の確保(これに必要な労働条件の改善を含む。)の支援」との文言を盛り込ませるとともに委員会の法案質疑においても、その趣旨を改めて質した。
私たちは、引き続き私鉄総連とともに交通政策のさらなる推進と、誰もが安心して暮らせる社会実現のために、森屋隆組織内国会議員の足元をしっかりと固め、現・退一致で取り組みを進めていく。

(3)東日本大震災、福島第一原発事故の発生から10年の節目を迎えた。しかし、復興庁「全国の避難者数(2021年3月30日)」によると、全国の避難者数は、約4万1千人とされており、未だ多くの方が避難生活を強いられ、事業や生活の再建など将来不安を抱えたままとなっている。
政府は被災者支援や復興策として「第2期復興・創生期間」を岩手、宮城などは5年、福島は10年の延長を決定している。しかし、心のケア、地域コミュニティーの形成など、被災者や被災した子供に対する支援など、中長期的な対応が必要であり、決して期間を区切って解決する問題ではない。原発を推進してきた政府には大きな責任があり、被災者に寄り添った継続的な補償と支援が必要である。
また、福島第一原発では、3基の原子炉で溶け落ちた核燃料(デブリ)が残されたままである。1号機の燃料プールは、取り出しに向けて乗り越えなければならないハードルが今も残され、取り出しの開始は、2027年度以降を予定しており、当初の計画より10年ほど遅れている。さらに、トリチウムなどの放射性物質を含んだ「処理水」についても、2022年秋頃に保管場所の限界が見込まれているとして、地域の理解を得られないまま海洋放出によって処分する方針を決定した。
このような状況においても、政府は、原発産業の利益を優先し、原発再稼働や原発輸出に固執し続けている。エネルギー確保は、資源の少ない日本にとって大きな課題であるが、「核と人類は共存できない」ことは明らかであり、脱原発に向けた再生可能エネルギーへの転換が求められている。

(4)2020年8月28日に安倍前首相は持病の悪化を理由に突然辞任した。この間、長期政権により、憲法の三大原則を蔑(ないがし)ろにする「安全保障関連法」や「組織犯罪処罰法」など不十分な議論のまま成立させ、行政による政権への「忖度」で情報の隠蔽・捏造などが繰り返され、国民の政治に対する信頼を大きく失墜させた。
その後発足した菅政権も、前政権の様々な疑惑を解明しないまま、官僚との忖度、接待問題など、その本質は前政権となんら変わることなく、憲法軽視、民主主義軽視の政治姿勢を引き継いでいる。
そんななか、5月6日に衆議院本会議によって国民投票法が採決された。憲法改正手続法とも言える本法案が成立すれば、今後、改憲議論が加速することが懸念される。自公政権の掲げる「自衛隊明記」「緊急事態条項の導入」などの改憲案を数の力で推し進めることだけは断固阻止しなければならない。
私鉄高退協は、自民党が推し進める憲法改悪に断固反対し、立憲主義の破壊を許さず、日本国憲法の理念を護り続け、戦争のない平和な社会づくりに取り組んでいく。


(5)第204回通常国会において医療費制度改革関連法案が成立した。これにより75歳以上の後期高齢者医療費の窓口負担に関して、単身世帯で課税所得が28万円以上および年収200万円以上の人を対象に、現行の1割から2割に引き上げられた。施行時期は2022年10月から2023年3月の間とし、施行にあたっては、長期頻回受診患者等への配慮措置として、2割負担への変更により影響が大きい外来患者について、施行後3年間、1カ月分の負担増を、最大でも3,000円に収まるような措置を導入するとしている。今回の引き上げが受診回避による健康悪化や生活困窮をもたらさないよう、配慮措置の継続や公費の拡充なども勘案した持続可能な高齢者医療制度の確立を求めていく必要がある。
2021年4月1日から、「改正高年齢者雇用安定法」が施行され、70歳までの就業確保が企業の努力義務となった。「人生100年時代」といわれる今、65歳以降も長く続くと想定される人生を経済的な不安なく安心して生きていくために年齢に関わりなく活躍し続ける働き方は非常に重要だが、政府が描く「生涯現役社会」の姿が超少子高齢化と不安定な年金制度などを理由に、高齢者の働き手を増やすだけという社会保障改革に終始しないよう注視していく必要がある。
私鉄高退協は、退職者連合とともに、社会保障政策の推進に向け、取り組みを強化していかなければならない。

2.2021年度日本退職者連合の取り組み

2021年7月開催予定(書類審議)の退職者連合総会で決定された方針に基づいて、以下の活動・要求を中心に協力し行動していく。

〈活動・要求の重点〉
(1)社会保障制度改革に向けた取り組み
退職者連合は、政策制度要求のいっそうの前進に向けて、定期総会で決定する「年度要求」と、通常国会に向けて「季節要求(年金、医療、介護をはじめ地域包括ケアシステムなど)」を分けて取り組み、運動展開する。私鉄高退協にとって「年度要求」などが主要課題となることから、退職者連合ならびに連合と連携を密にし、運動を広げていく。

(2)新型コロナウイルス感染症対策
 退職者連合は、憲法第25条2項に基づき、国は全ての生活部面について、社会福祉、社会保障および公衆衛生の向上および増進につとめ、感染症の未然防止と発生後の拡大防止に万全の対策を講じるように求め、さらに「新型コロナウイルス感染症対策に関する要求」を関係省庁、政党に要請し実効あるものにしていくとしている。私鉄高退協としても、感染症の拡大防止対策を万全にし、早期終息を願うことから退職者連合と連携し要求を求めていく。

(3)国民的運動課題への取り組み
退職者連合が提起している高齢者に大きな被害をもたらすなど社会問題化している、オレオレ特殊詐欺などの消費者被害を無くすための取り組みや、公正な税制で社会保障の充実をはかる運動など、精力的に取り組み、社会的な共感を得られる運動として積極的に関わる。

(4)大災害への予防と復興・再生支援
全国各地で頻発している地震や台風・水害などの自然災害により被災した地域における速やかな復興・再生を支援していく。また、避難所における感染症の蔓延など、さまざまな想定外の問題がおきることを考え、情報を共有し適切な対応がはかれるよう努めていく。

(5)平和運動の強化
@核不拡散防止条約(NPT)に向けて、連合・原水禁・KAKKINの3団体とともに取り組む。
A日本国憲法第9条ならびに第96条の改悪に反対する。
B連合が取り組む「沖縄、広島・長崎、根室」の4つの平和行動に参加する。
C沖縄の米軍普天間基地の即時閉鎖と辺野古新基地建設に反対する。
D戦争の悲惨さを語り継ぎ、風化させないための活動に取り組む。
E北方領土返還運動、尖閣諸島、竹島問題等については平和的解決をめざし、また、北朝鮮拉致被害者の早期帰還運動に引き続き取り組む。

(6)男女平等参画推進の取り組み
男女平等参画の問題は、現役世代から退職者世代へと継続課題であることから、連合活動と連携した取り組みを行う。地域での女性会員拡大に向け、地方の産別・関連退連へのオルグ活動実施や女性枠の拡大をはかり、各級機関への女性参加の促進に取り組む。

3.私鉄高退協の取り組み

(1)社会保障制度改革に向けた取り組み
日本退職者連合の定期総会で決定される「年度要求」などが主要課題となることから、引き続き安定した社会保障制度を構築していくために、日本退職者連合ならびに連合と連携を密にし、諸行動などに積極的に参加するなど粘り強い運動を展開していく。

(2)平和運動の取り組み
@「平和なくして社会保障なし」を基調に、憲法理念を擁護し、憲法改悪に反対していく。
A憲法違反、立憲主義を無視して強行成立された「安全保障関連法」の廃止をめざす。
B北方領土4島返還実現へ取り組む。
C沖縄の米軍普天間基地の即時閉鎖を求めるとともに、軍事基地として機能が強化される辺野古新基地建設に反対していく。
D太平洋戦争において日本で唯一の地上戦となった沖縄、原爆が投下された広島・長崎、日本各地で街を焦土化させる空爆が行われるなど、高齢者は悲惨な戦争を体験している。だからこそ戦争を知らない世代に、戦争の恐ろしさや虚しさを語り継ぎ、風化させぬよう「語り部」として、若い世代へ伝えていく活動に取り組む。
E中国公船の領海侵入が懸念される尖閣諸島、竹島などの領土問題については、日本政府の主張を明確にしたうえで、外交による平和的解決を求めていく。

(3)各種大衆運動への取り組み
連合・退職者連合が取り組む集会や国会傍聴などには、地元である関東地連高退協と連携し、可能な限り取り組みを進める。

(4)情報・宣伝活動の充実と組織拡大の取り組み
@各地連・単組向けの「私鉄高退協ニュース」を発行し、退職者向けのニュースや情報 の提供を行う。
A退職者連合は、組織拡大方針のなかで、現役組織との話し合いを求めている。私鉄高退協も退職した組合員に対し高退協の加盟に向けた組織づくりを、各単組に求めていく。
B退職者連合は、男女平等参画推進の取り組みを行っている。私鉄高退協においても今後、地連・単組高退協組織において女性会員の加入拡大および諸会議(総会、親睦会、懇親会など)への女性の参加促進に向けた取り組みに努める。
C会費は現行を維持するが、地連単位の登録人員の増加について努力する。
D情報の共有化のため、ホームページの活用と並行し、書類による資料発行に努め、「私鉄シニアネット」を継続していく。
E「行動なくして改善なし」をスローガンに、各地域での現役組織と一体となった取り組みを行う。
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